前回、子どもの愛がいかに無条件かについて書きました。
わたしは仕事柄、多くのお母さんたちにセラピーをしてきましたが、
彼女たちとのセッションを通じて、
一部の子どもたちは、
(ひょっとしたら、全員かもしれませんが)
まずは親を助け、癒すことを目的に、
地上に降りてきているのだと確信するに至りました。
今日は、その一例として、
わたしのクライアントさん(Sさん)のケースについて、
書いてみたいと思います。
(ご本人の許可を得ています。
「他のお母さんたちが、
問題行動を起こす子どもからの、
メッセージに気づいてもらえる機会になるのでしたら、喜んで」
と、掲載を快諾してくださいました)
Sさんがわたしとのセラピーを始めてから、ちょうど1年になります。
1年前、 Sさんは、当時3歳だった娘、Pちゃんとの関係にとても悩んでいました。
Pちゃんは、生まれたときからずっと泣きっぱなしで、
ちょっとでも下ろすとギャン泣きが始まるので、
Sさんは、赤ん坊の彼女をずっと抱っこしていたそうです。
少し大きくなると、癇癪が始まり、
ちょっとでも気に入らないことがあると大暴れするので、
Sさんは、常に娘の顔色を伺い、機嫌を取りながら生活していました。
(歯を磨かせようとすると大暴れするので、
歯磨きもできず、
甘いものを制限しようとするとやはり大暴れするので、
甘いものも無制限に与えた結果、
虫歯だらけになってしまったそうです)
保育園でも病院でも、Pちゃんは問題児扱い。
「ダメなママ」のレッテルを貼られ、
夫の協力も得られず、
Sさんは、本当に居たたまれない日々を過ごしていました。
たまらずカウンセリングを受け始めたものの、
会話中心のカウンセリングでは、
たくさん原因探しをして、頭で原因を理解しても、
自分が楽になった感じは全然せず、
「とにかく娘を受け入れて!」と言われて、その通りにしても、
Pちゃんの癇癪は、どんどん激しくなっていったそうです。
Pちゃんにつけられた傷を見ながら、
絶望して毎日泣いていたころ、
わたしの著書に出逢い、
こちらでのセラピーを申し込んでくれました。
セラピーでは、本当にさまざまなプロセスが起きました。
(ここでは詳しくは触れませんが、
わたしは、Sさんとのセラピーのたびに、
こんな過酷な幼少期を、よく生き延びてきたなーと、
いつも本当に本当に感動します)
セラピーを続け、
さまざまな心身の症状が解消されていくにつれ、
(全身のひどい凝りがなくなる、
お酒がやめられる、嫌なことは断れるようになる・・・など)
Pちゃんとの関係も、
勝手にどんどん改善されていきました。
娘に遠慮しなくなり、
言いたいことがあればはっきり伝え、
時にはノーと言っても、
Pちゃんは、前のような癇癪を起こさなくなったのです。
そしてある日、Sさんは、自分の母親が死ぬ夢を見ました。
(ちなみに、親が死ぬ夢、親を殺す夢というのは、
最高最強の吉夢です。
そういう夢を見たら、赤飯炊いてお祝いしてくださいね!)
その夢のことをPちゃんに伝えたら、
Pちゃんはこう言ったそうです。
「じゃあママ、これからは自由じゃん」
そしてその日、Pちゃんは、
「ママ大好き!
一緒にブランコしてるときのママが大好き。
〇〇してるときのママが大好き。
××してるときのママが大好き」 と、
ママの大好きなところを、30個くらい話してくれたそうです。
またあるとき、
どうにもやるせない気持ちになり、
両親に対して、自分の気持ちを綴った手紙を書いて、
誰に聞かせるわけでもなく、それを音読していたら、
それを聞いていたPちゃんは、
こう言ったそうです。
「ママが小さいときは、優しい人が誰もいなかったんだね」
そして、最近は、
Sさんが、「私って冷たい娘なのかなあ」などと、
自分に対して批判的なことを考えるたびに、
Pちゃんから、
「ママ、何考えてるの?」とチェックが入るんだそうです。
(夕食のおかずなど、どうでもいいことを考えてる時は、
全然、何も聞いてこないそうです)
・・・・繰り返しますが、
Pちゃん、まだ4歳ですからね。
このサイキックぶり、すごくないですか?
(というか、子どもは全員、サイキックです。
こちらのブログも、ぜひお読みください )
Pちゃんが、さまざまな問題行動を起こしてくれなかったら、
Sさんは、自分の幼少期の傷を抱え続けて、
ずっと苦しいままだったことでしょう。
そして、Sさんが楽になったら、
Pちゃんの癇癪は、勝手に収まって、
こんなにも、お母さんに共感する娘になってくれた。
でも実は、
大癇癪を起こしているときから、
Pちゃんは、お母さんのことを、
ものすごく愛していたんですよね。
癇癪は、
当時、ものすごくつらかったSさんに対して、
Pちゃんが体を張って表現してくれていた、
彼女の共感だったんだと思います。
(Sさんの体験談は、どうぞこちらもお読みください)
わたしもそうでしたが、
自分が癒されると、
自分の子どもが、いかに自分を愛してくれているのかが、
本当にびっくりするほど、 身体の深いところでわかるようになります。
本当に、途方もない愛です。
そして、 もしあなたに子どもがいなくて、
「わたしには、そのレベルで自分を愛してくれる人なんていない」と、
さみしい気持ちになったのであれば、
どうぞ、思い出してください。
その、途方もない愛は、
あなたの中にも、確実に存在していることに。
だって、あなたにも、親がいますよね。
あなたも、子どものとき、
自分の、ものすごく不完全な親に対して、
Pちゃんと同じレベルの愛を注いでいたんですよ。
(そして、不思議なことに、
血のつながりがなくても、まったく同じです。
わたしとうちの娘は血が繋がっていませんが、
彼女の愛も、すさまじいです)
そして、
愛は、受け取るのも与えるのも、実は同じです。
だから、そのレベルの、
あなたの中に確かに存在する、
子ども時代のあなたの、途方もない愛を、
ただ、自分の内側に意識を向けて、感じ取ってみてください。
そして、誰よりもまず、
自分自身に対して、
その愛を、向けてみてください。
それだけで、無意識の深いレベルで、
深い癒しが起こると、
わたしは確信しています。
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