分不相応?


本当にご無沙汰しておりまして、申し訳ありません。
ここ3週間ほどずっと、5月から始まるトラウマ療法トレーニングのマニュアル翻訳に追われておりまして、
横文字をタテにした後は、自分で文章をつむぐ能力が頭の中にまったく残らない毎日でした。

今回など比較にならないほどハードだった前回の本の翻訳中にはそんなことはなかったのに、これは一体どうしたことでしょう。
着々と頭の老化が進んでいるということでしょうか・・・(笑)。

さて、そんな日々なのですが、今日はどうしても、書いておきたいことが起きました。

私がチェロを習い始めたことは、以前こちらでもちらっと書いたのですが、
本日ついに、マイチェロを購入してしまいました・・・・!
・・・といっても、新しい楽器が家に来たわけではなく、私のチェロの先生からお借りしていた楽器を買い取ったのです。

私のチェロの先生は、フリーデリケ・キーンレさんという岩見沢教育大の先生で、私の友人でもあるのですが、
この方は、美しいだけではなく、チェロの腕も本当に素晴らしいです。
昨年、マリオ・ブルネロという有名なチェロ奏者のリサイタルがkirataであったので聴きに行きましたが、
彼の演奏より、キーンレさんの先月のリサイタルの方が100倍くらい感動しました。

彼女はドイツのシュタイナー学校の卒業生で、
そのせいなのかもしれませんが、彼女のチェロの音色はうわべだけではなく、宇宙からちゃんと降りてきているという感じがします。音にいつも、光があるんです。おまけに彼女の演奏姿の絵になること。目でも耳でも楽しめる、素晴らしい演奏家です。
そんな彼女とのチェロのレッスンは本当に楽しい。彼女と一緒にチェロを弾くと、家で一人で弾いている時の何倍も良い音で弾けるのも不思議です。

私が買った楽器は、そんな彼女がイタリアで選んで日本へ持ってきたチェロなので品質にかけては保証つきです。本当に深くて優しい音がします。
キーンレさんは、「私が教えているほとんどの学生が持っている楽器よりも良いものよ」と言っていました。
私に売ってくださった値段の二倍の価値はあるそうです。
そんな音楽専攻の学生よりも良い楽器を、毎日15分しか練習しない、チェロを始めて二ヵ月のド素人の私が買っていいものなんでしょうかね・・・・。
しかも、安く譲ってくださったとはいえ、私のオンボロ中古車2・5台分の値段(!)です。
こんなに高価なものを最後に買ったのはいつだろう・・・・といろいろ考えてみましたが、
米国の大学院の学費くらいしか思いつきませんでした(笑)。
モノとしては、新聞記者として肩で風を切っていた20代に買った新車以来です(もちろん、新車はチェロの3倍以上しましたが)。

私がこんな素敵なものを買っていいのかしら・・・とお金を振り込んだ後にキーンレさんにメールしたら、以下のような返事が返ってきました。
「確かにチェロは車のように高価よね。でも車みたいにガソリンを必要としないし、時間が経つにつれて価値が下がるわけでもない。むしろ上がるわ。それにチェロは心を幸せで満たすし、身体を調和で満たしてくれるのよ」(原文英語)

こんな素敵なことを言ってくれるなんて、素敵な先生だと思いませんか?

・・・ということで、私の一生の友人が一つ増えた日でした。よろしくね、チェロちゃん。