わたしが18年前に帰国してから
セラピーを行った件数が、
累計で1万件を超えたようです。
(細かく数えたわけではないのですが。
8000件を超えたあたりから
面倒くさくなって、
細かい集計はやめてしまいました 笑)
1万を18で割ると、
年間555件になります。
これは、
米国の気の利いたセラピストにとっては、
特に多い件数では ありませんが、
(わたしの大学院時代のスーパーバイザーの教授は、
週に30件もセラピーを行っていました。
すごい体力です 笑)
日本人セラピストの臨床件数としては
かなり多い方だとは思います。
これも、
この18年間、
わたしを信頼して
わたしのセラピールームのドアを叩いてくださった
数多くのクライアントのみなさまのおかげだと、
(実人数は1000人を少し超えるくらいです)
心からの感謝の気持ちでいっぱいです。
多くの人にお会いしたおかげで、
そして、身体心理療法という分野を
専門に選んだおかげで、
統合失調症から鬱や不安といった
精神症状だけでなく、
癌や消化器系の不調といった
身体症状まで、
さまざまな心身の症状を
取り扱う機会に恵まれました。
で、
わたしの経験から申し上げると、
世間一般に、
治るのが難しいとされている症状と、
実際の治癒のしやすさは
まったく一致していません。
本日は、
そのことについて
書いてみたいと思います。
わたしの経験上、
短期間で結果が出やすいのは、
いわゆる
「陽性症状」と呼ばれる
カテゴリーに 入っているものです。
陽性症状は、
本来は、
統合失調症の
症状の説明として
使われる言葉ですが、
わたしは、
統合失調症に限らず、
派手に表面化している
症状全般を
陽性症状と、
勝手に呼んでいます。
「派手に表面化している症状」とは、
どういう症状なのかというと、
統合失調症の幻覚妄想はもちろんですが、
過呼吸などのパニック、
フラッシュバック、
恐怖や不安、
悪夢、
手洗い強迫などの、やりたくないのにやってしまう行動、
めまいや耳鳴り、
リストカット、
怒りの爆発などのことです。
言い換えると、
交感神経が 過剰に活性化して、
起きている症状です。
これらの症状は、
早期に介入できれば、
たとえ、どれほど激しくても、
嘘のように収まってしまうことが
よくあります。
それはなぜかというと、
当たり前のことなのですが、
表面に出てきているものは、
扱いやすいからなのです。
わたしたちの身体は、
さまざまなストレスを、
身体組織のあらゆるレイヤーに
溜め込んでくれています。
そして
それらのストレスは
表面に出てきてくれて初めて、
排出と浄化が起こり、
癒すことができるのです。
わかりやすい例が
アトビーです。
アトピーは、
自分の身体が取り込んだ
食品添加物や大気中の汚染物質
あるいは精神的ストレスなどを、
皮膚から速やかに
排出してくれようとする症状です。
逆に言えば、
アトピーの人の身体は
とても感度が良い
健康な身体だとも言えます。
(子どもにアトピーが多いのは
きっとそのせいです)
逆に言えば、
どんなに心身にストレスがかかっても
全然排出できない
にぶい身体であれば、
そのストレスは
身体のもっと奥深くに潜り込んで
少しずつ身体を蝕み、
最終的に がんなどの、
もっと深刻な病として
表面化することになります。
だから、
すでに表面に出てきてくれている症状はありがたいし、
なによりも、
それらの症状が出てきてるということは、
「動き」があるということです。
動きがある場所には
癒しが起こります。
なぜなら、
動いているから(笑)。
動いているというのは
変化している、
変化できるということだからです。
そして、
その動きが表面化した直後であれば
身体は、
それをなんとか抑え込むための
さまざまな戦略を
張り巡らせる前なので、
(人がストレスを感じないようにするために
どれほど何重にも
自分の心身に鍵をかけようとするかは
本当に驚くほどです)
比較的に簡単に
症状をほどいていくことが
できるのです。
(陽性症状でも、
出ている期間が長ければ長いほど、
回復に時間がかかってしまうのは
↓ こちらに書いたとおりです)
逆に、
うつや極度の疲労など、
まったく動きがない
いわゆる「陰性」の症状は、
まずはそれらが動き出すために
あらゆる角度から働きかける必要があるので、
必然的に、
時間がかかります。
(とはいえ、
普通に会話するだけのセラピーよりも
何十倍も早いとは思いますが)
なのでもしあなたが、
「わたしの症状はこんなにひどいから
一刻も早く薬で押さえ込まなくちゃ」とか、
「こんなに激しい症状なんだから
回復にはすごく時間がかかるだろう」と
思っているのであれば、
それは
ただの思い込みの場合があるので、
どうぞ、
一度ご相談くださいね。
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