彼女が、店員に塩対応されなくなったわけ


この仕事をしていると、
クライアントさんに日々、奇跡のようなことが起きます。
長年抱えていた痛みが、1回のセッションで消えてしまったり、
重い化学物質過敏症が治ってしまったり。
(注:もちろん個人差はあります)

 

それらがあんまり日常的に起きるので、
もはや奇跡とも呼べないくらいですが、
それでも、そうした場面に立ち会うと、
そのたびに感動します。

 

なぜなら、
わたしにとって、
奇跡は日常ですが、
その人に起きる奇跡は、
その人独自のものだから。

 

こういう、
感動的な場面に日々立ち会える
仕事をしている自分は、本当に幸せだなと思います。

 

ということで今日は、
つい最近起きた奇跡についての話です。
(ご本人の許可を得ています)

 

以前、こんな記事をブログに書いたことがあります。

本当の声で話す

 

クライアントさんの癒しが進むと、
声がまるきり変わってしまうという話です。

 

先日、わたしのクライアントであるMさん(30代女性)にも、
同じことが起こりました。

 

セッションの最後に、
母親に対して抱いていた激しい怒りに気づき、
その怒りを解放したら、
彼女ののどが、急にのびのびと動き出し、
声の深みが、まったく変わったのです。

 

「声、全然違うねー!」と言って、
zoomを切った2週間後。

 

次のセッションで、
PCの画面越しにMさんの姿を見て、
びっくり仰天しました。

 

たった2週間の間に、
顎がシュッと細くなって、
顔全体がリフトアップし、
目がキラキラと輝いていたからです。

 

Mさんはこれまで、
どちらかというと表情が乏しい人だったのですが、
(失礼!)
表情も別人のように生き生きしていて、
一言で言うと、
ものすごく綺麗になっていましたo(^▽^)o。

 

思わず、
「Mさん、やせた?」
と聞いちゃったくらいです(笑)。

 

Mさんいわく、
「意識がだいぶ、
身体の方に戻ってきた」
そうです。

 

もちろん、声も以前とはまったく違いました。

 

これまでの、喉の周辺でもぐもぐ喋っていたような声と違い、
本当によく通り、説得力がある。
言葉のひとつひとつが、はっきり聞こえる。

 

Mさんはこれまで、
駅員さんや店員さんに話しかけても、
塩対応をされることが多かったそうですが、
前回のセラピー以降、
駅やお店で、邪険な扱いをされることがなくなったそうです。

 

それも当然です。

 

あんなにはっきり通る声と、
キラキラした目で話しかけられたら、
どんな人でも、ちゃんと耳を傾けるはずですから。

 

Mさんとは、4年近いお付き合いになります。

 

とても熱心なクライアントさんで、
特にここ1年あまりは、
毎週のようにセラピーを受けてくれていました。

 

でも、彼女の回復は、
ものすごくゆっくりでした。

 

自分の気持ちというものをほとんど意識したことがなく、
常に、周りの人からどう思われるかが行動の基準で、
身体に意識を向けても、
漠然とした感覚しか感じない。

 

そして、彼女(の身体)がテーマとして扱いたがるのは、
比較的最近起きた出来事で、
一番大きいであろう、
子ども時代の傷は、
彼女のどこかがシャットアウトしていて、
なかなか触れることができませんでした。

 

彼女の無意識のどこかが、
回復することに大きく抵抗していることを、
わたしは感じていました。

 

(これは完全に無意識のプロセスであり、
彼女がセラピーに反抗的な態度で臨んでいたわけでは、
まったくないので、念のため)

 

わたし自身が、彼女とのセラピーにかなり行き詰まりを感じたので、
去年の年末、しばらくセラピーをお休みすることを、
Mさんに提案してみました。

 

そうしたら、ものすごい抵抗の嵐(笑)。

 

いかにわたしのセラピーが役に立っているかを、延々と話してくれ、
中断するのは見捨てられるようですごく嫌だと、
何度も訴えられました。

 

でも、わたしは確固として、
今のMさんには、zoomよりも実際に身体を触ってもらえる施術のほうがいいこと。
そうして、身体がある程度楽になってから再開した方がいいこと。
この間、自助グループに通うのもとても役に立つこと。

 

それを、繰り返し繰り返し、
へとへとになるまで説明して(笑)、
ようやく、セラピーの中断に合意してもらえました。

 

そして、4ヶ月のお休みを経て、
この春からセラピーを再開したのですが、
それからのプロセスの進み方の、
速いこと速いこと。

 

セラピーを休んでいる4ヶ月の間、
Mさんは、せっせと鍼灸など、
身体そのものをケアする場所に通ってくれました。

 

その結果、身体が楽になって、
身体の声が、以前よりもずっとよく聴けるようになり、
過去に感じていた怒りや悲しみにもちゃんとアクセスできて、
号泣できるようになり、
今回のような大きな変化が起きたのでした。

 

荒療治も、
時にはすごく大切だというお話しでした(笑)。

 

 

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