わたしのクライアントさんたちは、
何年ものおつきあいになる方が多いのですが、
彼らと日々セラピーをしていて痛感するのは、
変化や癒しって、
右肩上がりの直線で進むのではなく、
ずっと横ばいのように見えていた人が、
突然、びっくりするほど回復する時期があるんだということです。
わたしのところへ来る方は、
心身の大きな苦しみを抱えているケースが多いので、
みな、一刻も早く楽になりたいと思っています。
その気持ちはもちろん、わたしも同じです。
(わたしは典型的な牡羊座で、ものすごーーく短気なので(笑)、
クライアントさんが、最速で元気になることだけを常に考えています)
でも。
だからこそ。
セラピー自体は、ものすごくゆっくり行う必要があるのです。
起こしたい変化が大きければ大きいほど、
余計にそれが重要です。
なぜなら、
クライアントさんの表面意識とは裏腹に、
彼らの無意識(身体)は、
ものすごく頑固に、
変化に抵抗していることが多いからです。
苦しかった時期が長ければ長いほど、
彼らの無意識は、
「自分がこれほど頑張ってきたから、生き延びることができたんだ!」と、
強烈に自負しています。
そしてそれは、その通りなのです。
子ども時代、
周りからの助けを何も得られなかった小さな自分が、
何とか生き延びるために、自分で編み出した、
数々の生存戦略が、
今その人が抱えている思考パターンや、
症状そのものなのですから。
そんな身体=無意識に対して、
「はい、あなたの症状はもう役立たずだから、一刻も早く退場してくださいね!」
と、邪険に追い出そうとすれば、
身体が怒るのは当たり前です。
そして、怒った身体=無意識は、
さらなる症状という形で、
自分の存在を、ますます声高に主張し始めます。
だから、急激に症状を取ろうとしたり、
症状を忌み嫌ったりするのは、
逆効果なのです。
その意味で、
一見、ぜんぜん癒しが進んでいないように感じられる期間は、
とても大切な、「溜め」の期間です。
その間に、
無意識レベルでは、
少しずつ、体験の書き換えが起こっているからです。
中には、無意識がとても頑固で、
「あたし、何があっても、絶対癒されないからね!」と
主張している身体に出会うことも、たまにあります。
(で、身体がそう主張している人ほど、
表面意識では、自分の症状や状態が嫌で嫌でたまらず、
「なんとかして早く楽になりたい」と、必死になっていたりするんですよね)
そういう人には、セラピーのある時期に達すると、
ちょっとした荒療治が必要になったりします。
(荒療治の中身は、個々のクライアントさんによって全員違います。念のため)
次回のブログでは、そうした荒療治が奏功して、
ある日突然、驚くほど元気になったクライアントさんのケースをご紹介しますね。
(もちろん、ご本人の了解済みです)
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