皆様、
こんにちは。
引き続き、ADHDの話です。
(前回までの記事はこちらです)
ここまで、ADHDという「作られた病気」に関して気が滅入るようなことばかり書いてきましたが、今日はすこし、希望の持てる話をご紹介したいと思います。
今回のシリーズを書くにあたり、改めていろいろADHD関連の情報をネットサーフィンしていたのですが、そのときに、米国の一般向けの心理学雑誌「Psychology Today」の電子版に5年前に発表された、カリフォルニア在住の家族セラピスト、Marylin Wedge博士の記事を見つけました。
タイトルは、「何故フランスの子どもたちはADHDにならないのか?」
ウエッジ博士によると、米国でADHDと診断される学齢期の子どもが少なくとも9%(2012年当時)であるのに対し、
フランスでは、たったの0.5%以下だそうです。
その理由は、子どもが示すいわゆる注意散漫や多動などの症状を、米国では脳の疾患と見なすのに対し、
フランスでは、よりホリスティックに、社会心理学な文脈で考えるからです。
つまり、フランス社会はADHDを、単なる脳内の化学物質のバランスが崩れた状態ではなく、子どもの行動の背後にある家庭環境や社会状況の問題と見なしています。
(私の大学院時代のチャイルドセラピーの先生、David Akullianの指摘と同じですね。ちなみにデービッドもウェッジ博士も私も、同じカリフォルニア州の心理士資格を持っています)
なので、子どもへの対処も当然、薬ではなく、
心理療法や家族カウンセリングが中心になります。
おまけに、診断基準に悪名高いDSMは使わず、CFTMEAというフランス独自の基準を用いているそうです。
CFTMEAが注目するのは、子どもの症状の背後にある社会心理学的な問題であり、症状に一番良く効く薬を探すことではないといいます。
そのため、子どもの置かれている環境を精査していくと、ほとんどが環境因子で説明がついてしまううえに、
CFTMEAの基準は、このシリーズの初回で紹介したDSMの診断基準のように、「ごくふつう」の子にもありがちな行動をことさら病気呼ばわりすることもないので、
結果として、ADHDと診断される子どもがほとんどいなくなるようです。
・・・・何てまともなんでしょう(号泣)。
さらに記事では、子どもの症状を検討する際に、フランスでは彼らの栄養上の問題も考慮されると言っています。
かの国では着色料や保存料、アレルギー性のある食べ物により、子どもの行動に悪影響が出る場合もあると考えられているそうです。
これも実に、まっとうな考えです。さすが食文化の国フランスです。
この記事では触れられていませんが、食べ物と子どもの問題行動との関連においては、
添加物もさることながら、私は個人的に、砂糖がものすごく関係していると思っています。
砂糖も中毒性や神経系を昂進させる作用において、麻薬にひけをとらないからです。
つい最近も、ある方のブログで、多動で集中力がない娘さんに砂糖を摂らせるのをやめた結果、みるみるうちに落ち着いたという話を読んだばかりです。
ノッコの癇癪 「断糖」をしてみた結果
ちょっと話がそれますが、いわゆる「自閉症」も、ワクチンや乳製品との関係も指摘されており、
乳製品をやめたことで、自閉症的な症状がまったくなくなった海外の症例も、ある心理士さんのホームページで紹介されています。
息子の自閉症が完治した
私たちは結局、自分たちが食べたものでできているのですから、
子どもたちが何を食べているかは本来、とても大切なことのはずなのに、
米国のADHDの検査では普通、それらがまったく考慮に入れられることはありません。
おそらく日本でも同じでしょうね・・・。
(この記事の概要の日本語訳は、こちらのページにあります。ちなみにウェッジ博士は、さらに米国とフランスのしつけの違いも子どものふるまいに影響していると述べています)
デービッドによると、
米国には、ADHDを脳の障害だとかたくなに主張し続ける親や医療関係者たちの強固なロビー団体があり、
政府にさまざまな圧力をかけているそうです。
その最大組織のひとつであるCHADDのホームページを見てみると、
「以下の項目は、症状を悪化させるかもしれないが、ADHDの原因ではない」とはっきり書かれていたのが、
・テレビを見すぎること
・砂糖を摂ること
・家庭内ストレス(貧困、家族の葛藤)
・トラウマ的な体験
の4つでした。
・・・・私、この4つとも、大きな要因だと思います。
テレビやゲームなどの液晶画面の見過ぎは、交感神経を過剰に活性化させますし、
砂糖はもちろん、合法的な中枢神経興奮剤ですし、
家庭内ストレスもトラウマも、子どもを多動にさせる、ものすごく大きな原因です。
・・・なのになぜ、それらが否定されるのか??
たぶん、「儲からないから」ですね。
医者や製薬会社がね。
脳の問題にしておけば、「この魔法の薬を飲めばほーら、大丈夫!」って言えますもんね。
ウェッジ博士の記事が発表された後も、医療界からの反論はすさまじかったようです。
上記のような環境ストレスや栄養因子をすべて取り除いていった後に、まだ残る多動や集中力欠如の子がいたとしたら、
その子たちこそが、きちんとサポートすべき子どもたちです。
(その場合でも、薬は決して根本的な解決策にしてはいけないですが)
その子たちが、なぜそうした症状を示しているのか。
私はそれはすべて、彼らの自律神経系の働きから説明できると思っています。
次回は、そのお話をしたいと思います。
今日もどうぞ良い一日を。
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