ADHDという嘘〜その2


皆様、
こんにちは。
さて、昨日は、ADHDの診断基準が、いかに作られたものであるかというお話をしました。

ADHDという嘘〜その1

今日は、私が米国の大学院時代にチャイルドセラピーの先生デービッドから聞いた話をご紹介したいと思います。

なお、私がこの授業を受けたのは18年も前で、米国の今の現状を詳しくは知らないのですが、
米国ではADHDと診断される子どもがどんどん増えているので、おそらく状況は当時よりもさらに悪くなっていると思われ、
日本もその後追いをするばかりなので、今この話を紹介しても、まったく時代遅れではないと思います。

 

米国では、かなりの子どもがADHDと診断されています。
当時デービッドは人口の3.5%と言っていましたが、最近ではその数は11%とも言われているようです。

11%というと、米国の4−17歳のおよそ640万人だそうです。
恐ろしい数字です。

 

なぜそんなに、ADHDと診断される子どもが増え続けているのか。
それを、デービッドの話から読み解きたいと思います。

 

デービッドによると、
米国で、医者が子どものADHDの診断にかける時間は、大抵の場合1時間以内。
それも、教師、親向けの30項目の質問用紙によってのみだそうです。

彼は言います。
「親は、子どもを評価するには最悪の人間だ。
医者たちは、家族システム全体をみないでどうやって子どもの診断ができるというんだろう?」

 

何度かこのブログでも書いたように、子どもがいわゆる問題行動を起こしていると、親は普通、それを子ども自身の問題にしたがります。
子どもの問題にしているうちは、自身の子育てやストレス、夫婦関係を顧みなくていいからです。
だからデービッドの言う通り、親に子どもの評価をさせるのは、大抵の場合大間違いです。
(これは私の臨床経験からも、はっきりそう言えます。親御さんが「うちの子はここが問題で、その理由はこうだと思います」という説明、その通りだったためしがありません)

 

親と教師の主観だけが反映される質問紙による、1時間にも満たない診察でADHDと診断される子どもが量産されているのが、アメリカという国です。
さもなくば、600万人以上の子どもにそんな診断名がつくはずはない。
ハーバード大学の心理学者が、何年か前に独誌「シュピーゲル」のインタビューで認めたように、
ADHDは、米国の社会システムが「製造」している、作られた病なのです。

 

そして、ADHDの治療の主流は、リタリンという向精神薬で(現在はコンサータという別の薬が主に使われているようです)、ほとんどの場合、心理療法などのセラピーはほとんど行われないそうです。
リタリンを製造しているチバガイギー社(現在はノバルティス社)は、この薬だけで年間何億ドルも利益を上げているそうです。
600万人以上の子どもがそう診断されているとしたら、本当に莫大な利益を上げられますよね・・・。

 

米国には良い所もたくさんありますが、
この、恥も外聞もない拝金主義=末期的な資本主義社会には呆然とするものがあります。

 

私の大好きなマイケル・ムーアの映画「キャピタリズム」に、米国の民営化された少年院の話が出てきます。
その少年院は、受刑者が多ければ多いほど儲かるしくみになっているそうで、
映画では、判事が少年院とぐるになって、「教師に暴言を吐いた」「家庭内で皿を投げた」といった些細な理由で有罪判決を言い渡し、少年少女を服役させ、法的手続きなしに刑期が延長される様子が、実際に服役経験のある若者のインタビューと共に紹介されていました。

 

・・・本当に恐ろしいです(怖)。
お金のためなら、投獄や投薬で、子どもの将来を奪うことなど何でもないということですよね。

 

リタリンの話に戻ります。
リタリンの作用と成分は、いわゆる覚せい剤であるメタアンフェタミン(メタンフェタミン)とほぼ同じです。
もちろん依存性も覚せい剤なみです。
つまり、リタリンとは、中枢神経を刺激する興奮剤なのです。

 

・・・それ、すごくおかしいと思いませんか?
だって、ADHDの子どもは、もともとじっとしていられない、多動の子たちなんですよ。
そんな多動な子たちが、興奮剤を投与されることによって落ち着くのは本当におかしくないですか?
すごく矛盾してませんか?
「スピード」(覚せい剤の隠語)を投与されて「スローダウン」するなんて。
それはどうしてでしょうか?

 

・・・・。

 

デービッドによると、ADHDの疑いをかけられて彼のオフィスに連れて来られた子どもの60%は鬱だったそうです。

デービッドは言います。
「子どもが鬱になると、彼らは動くんだ。
動かないと、大人から注目してもらえない。
彼らは、自分が存在していること、助けが必要なことを示すために動くんだよ」

彼らに集中力が欠けているのも、同じ理由で説明できるといいます。
「意識を向ける(集中する)ということは、痛みに気づかされるということ。
注意を向けないのは、痛みの調整と関係があるんだ」
注意力を散漫にするのは、自分が感じている痛みを感じないようにする、彼らなりの防衛反応なのです。
(これ、ものすごく重要なポイントなので、今度また詳しく説明しますね)

 

ADHDとされている子どもの6割が、実は欝や痛みを抱えているとしたら?

 

その痛みや鬱を引き起こしている要因は何かを、まず調べるべきではないでしょうか。
先日、「えんぴつをなくす」男の子の話を書きました。

子どもの出すサインは、どんなに小さくても一大事

もし彼が普通に精神科医に連れていかれたら、ADHDと診断され、
定番の薬漬けにされていてもおかしくないケースです。
彼が医者ではなく、デービッドの元に連れて来られたのは、本当に幸運でした(号泣)。

 

でも米国には、そういう幸運に恵まれず、本人の状態だけを見てADHDのレッテルを貼られ、薬で人生を破壊されている子どもが何百万人もいるのだなあと思うと、本当に心が痛みます。
・・・そしてきっと日本にも、そういう子どもはたくさんいるのでしょう。
(日本では幸い、リタリンそのものの処方は規制されたようですが、類似薬は今でも使われています)

 

デービッドは私たちにこうい言いました。

「深く掘り下げなさい。もっと調べなさい。
そうすれば、単なる生理機能的な説明よりも、ずっと真相に近づけるんだから」

・・・はい。私、あなたの教え、絶対に忘れませんから!!

 

ADHDの話、まだまだ続きます。(最初考えていたよりも長いシリーズになるかもしれません・・・)

 

今日もどうぞ良い一日を。

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