久しぶりの演奏会


皆様、
札幌は秋になりそうで中々ならないという、微妙な夏の終りが続く今日この頃ですが、お元気でお過ごしでしょうか。
さて、娘を我が家に迎えてから、大好きな音楽からとんと遠ざかってしまっておりますが、本日、久々にキタラホールに足を運びました。最近、すっかり有名になってしまった新垣隆さんのリサイタルです。
いろんな意味で、とても素敵なコンサートでした。
新垣さん、やはり、噂にたがわずとても良い方でした。曲の合間に、共演のヴァイオリニストの磯絵里子さんとのトークが入りましたが、言葉の端々に、彼の誠実さがにじみ出ていて、このまま、マスコミずれせずに素朴な人柄のままでいて欲しい!と痛切に思いました(笑)。
他に良かったのは、新垣さんが時の人であるせいか、観客の皆さんが普段クラシック音楽の演奏会に足を運ぶ客層と明らかに違っていたことです。クラシック好きは、ともすればスノビッシュだったり、マニアックになったり、重箱の隅をつつくような鑑賞態度に陥りがりですが、音楽は本来、素直に素朴に楽しむものですよね。グリーグのヴァイオリンソナタでは、各楽章ごとに拍手が出て、それに対してにこやかに応えるお二方もまた素敵でした。
そしてそして何より、彼は本当に天才なんだなあということが良く分かり、そんな天才的な作曲家と同時代に生きていることの幸せをしみじみ感じました。ピアノの腕も超一流ですし、この自作曲を演奏してくださいましたが、なんとこれは、中学3年の時の作曲だそうです。

当時自分が好きだった作曲家の良いとこどりをして作った(つまり真似した)そうですが、ほんと、素人(つまり私 笑)が聞いたら、ショパンの曲と言われても分からないですね・・・どんな芸術も模倣から始まる訳ですし、中3で12分もかかるこんな素晴らしい曲を書くなんて、本当、ただ者ではないです。彼がまだ生きているということは、これからもどんどん素晴らしい曲が生まれるわけで、(ありがたいことに、調性音楽もわりと書いていらっしゃるようですし 笑)ベートーベンやチャイコフスキーと同じ時代に生きているようなもんですよね。
アンコールの1曲目が、私の大好きなバッハのアルマンドだったのもうれしかったです。バッハっぽくない、一音一音が突出しない流れるような弾き方で、普段の私だったらあまり好みではなかったかもしれませんが、彼のスタイルにはぴったりで、とても癒されました。
やっぱり生の音楽はいいなあ〜。これからも、ちょっとずつ、こういう時間を持ちたいと思います。