カラダはセラピーに向けて準備する——セラピーにかかり始めたときに浮上する不調のとらえかた


クライアントさんがセラピールームにやってきたとき、こんなことを言われることがよくあります。

「前回のセッション以降、すごく調子が良かったのに、昨日の晩からまた急に胸がドキドキして苦しくなりました」

「痛みがずいぶんなくなっていたのに、さっきここへ向かう地下鉄の中ですごく腰が痛み始めました」

「ずっと良く眠れていたのに、昨日の夜、本当に嫌な夢を見ました」

・・・などなどです。

 

セラピストになって間もないころは、そういう話を聞くと、
「あらー、よっぽどここに来るのに抵抗があるのね・・・」
「私に会うのが嫌なのかしら?」
「前回のセッションで、私なんかへんなことしちゃったかな?」などと、こちらの方が動揺してしまっていました。

 

これは、自分自身の癒しがちゃんと終わっていないがために、なんでも個人的に受け取ってしまい、
結果として、クライアントさんの状態をきちんと把握する目が曇ってしまうという典型的な未熟なセラピストのパターンでございます(苦笑)。
だから、セラピストが自分の癒しに取り組むことは本当に本当に大切なのですよね。

 

・・・話がそれました。

 

今の私はどうかというと、
クライアントさんからそういう話を聞くたびに、
「ラッキー!」と内心大喜びしています。

あ、内心じゃなかったです。クライアントさんにも「それは良かったです」と直接言うことありますね(笑)。

 

それは何故かというと、
それらの症状が出てくるのは、セラピーが順調に進んでいる証拠だからです。

 

セラピーを受け始めると、それまでは気づかなかった心身の不調が浮上することがあります。
それは、
「もうそれを手放せるし、手放していいよ」という身体からのサインです。

 

トラウマを抱える人が、誰の助けも借りず、一人で歯を食いしばって人生に立ち向かっているときは、
常に身体が痛んでいたり、いつも過去の嫌なことを思い出していたりしては、ただでさえ生きづらいのにますます生きるのがつらくなってしまいます。

 

そこで、賢い身体は、自分を凍りつかせて、そうした不調を表面上は感じないようにさせることがしばしばあります。

 

でも、セラピーにかかり始め、外からの助けが得られると分かると、
身体は、「あら、自分一人で抱え込んでいなくてもいいのね」と判断し、痛みや動揺を表に出してくれるようになります。

特にセラピーの予定日前になると、身体はそうした準備を始めます。
そして実際にセラピーにやってきたとき、ちょうど表に出てくれている痛みやざわざわなどに意識を向けていくと、そこで大きな身体的、感情的な解放が起き、さらに楽になれるのです。

 

最近では、こんなケースがありました。

 

あるクライアントの女性が、あるとき、それまで自分が感じることができなかった、非常に大きな感情的な痛みを解放したことがありました。

その感動的なセッションの数日後、彼女からメールが来ました。

 

「腰を痛めてしまいました。次回のセッションをキャンセルさせてください。良くなったらまたご連絡します」

 

昔の私だったら、「あらー前回のセッションでまたちょっとやりすぎちゃったのね・・・」と自己嫌悪に陥り、
「それはお大事に。良くなったらまたご連絡くださいね」と返信するところですが、
今の私は、もう騙されません(笑)。

 

これは、さらに大きな何かが解放されるための、すごく良いチャンスということ。
こういう時こそ、絶対にセラピーに来るべきなのです。

 

彼女に「痛めた腰に対してここでできることはたくさんあるので、頑張っておいでになりませんか?」と伝えると、
彼女は予定通りセッションに来ることに同意してくれました。

 

そして、その時のセッションは、前回をさらに上回る感動的なセッションになりました。
セッションの最後に彼女が感じたのは、それまでずーっと海の中で泳ぎ続けていた人がようやく岸にたどり着いたかのような、これまでに感じたことのない心の底からの安堵感でした。
そして、セラピールームを去るときには、彼女の腰の痛みは完全に消えていました。

 

別のクライアントさんは、やはりある大きなセッションの次にセラピールームに来たとき、こう言いました。
「前回のセッション以降、昔よくあった耳の詰まりとめまいが久しぶりに起きるようになったので、病院へ行ってめまい止めの薬を処方され、今服用中です」

それを聞いたとき、私は「あーもったいない!」と心の中で叫んでしまいました(笑)。
せっかくめまいが外に出てきてくれているのに、それを薬で止めてしまうなんて。
外に出ている症状は、何だってセラピーに使える格好の材料なのです。
(ちなみに私は、めまいを解消するセッション、すごく得意です)

でもこの方のセッションも、やはり前回に引き続き素晴らしいセッションになりました。
そしてやはり、セッションが終わる頃には、耳の詰まりがすっかり取れていました。
おそらくもう、めまい止めも必要なくなるでしょう。

 

本当に、カラダってすごいなと思います。
(このブログ、この台詞ばっかり書いてる気がしますが 笑)

こんな素晴らしい身体の叡智、使わない手はありません。
身体は、自分と常に一緒にいる最高のヒーラーなのですから。

 

今日もどうぞ良い一日を。

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