皆様、
こんばんは。
先日、とても面白い札幌交響楽団の定期演奏会を聴きました。
レイフ・セーゲルスタムさんというフィンランドの指揮者の方が指揮をされたのですが、
彼は作曲家でもあり、これまでに250曲も交響曲を作曲したそうです。
プログラムの最後は、彼作曲の交響曲第245番(!)の世界初演でした。
(この曲は指揮者なしで、ご本人はピアノを弾いていました)
これが、むちゃくちゃ面白かったんです。
私はいつも、P席という、舞台後方の席の一番前で定演を聴くのですが、
目の前にいる打楽器の皆さんの動きがあまりにもおかしく、演奏の間中、笑いをこらえるのに必死でした(笑)。
だって、打楽器の皆さんは、ティンパニの上にシンバル乗っけて打ったり、拍子木や木づちやガラガラみたいなものを引っ切りなしに持ち替えて打ちまくったり、
木琴を何故かコントラバスの弓で弾いたりと、まるでミスター・ビーンの映画を見てるみたいでしたし、
何故か、トランペットの人は譜面台にiPhoneを乗せて弾いてたんですよ(爆)。
そんなもの、演奏会では見たことも聞いたこともなかったので、本当に笑いました。
曲ももちろん、不協和音につぐ不協和音で、まさに現代音楽という感じでした。
指揮者もおらず、時々コンマスが立ち上がって出だしの合図をしたり、管楽器の人が立ち上がって一斉に吹いたりする以外は、フレーズがどこで始まってどこで終わるのかも良く分からない演奏でした。
(セーゲルスタムさんご本人は、ピアノを担当していました)
私は札響のチェロ奏者の方からチェロを習っているのですが、
今日レッスンに行くと、例の曲の話題になりました。
先生にとっても、あの曲はかなり強烈だったようで、
「あの曲が正しく弾けていたかどうか、作曲家以外は誰も分からないし、同じ演奏を再現しろと言われても無理。二度と弾きたくない」とおっしゃっていました(笑)。
「いったい、どんな楽譜だったんですか?」と聞くと、チェロのパート譜のコピーをレッスン室のゴミ箱から拾って見せてくれました(笑)。捨てるくらいならと、いただいてきた楽譜がこちらです。
いかにも現代音楽っぽい楽譜ですよね(笑)。小節も拍子記号もなく、あちこちに文章が書いてあります。
例えば「指揮者なしで演奏する。木管は立ち上がり、スタートの合図をする。ピアノが一緒に出る」「ベストの演奏時間は22分」「フルートは(立って)、パーカッション、ピアノ、弦楽器以外の全員が演奏し終わるのを待って、このスタートをとてもセンシティブに、トライアングルとピアノと一緒に行う。長いディミヌエンドとなんたらかんたら……」といった感じ。
休符は小節の代わりに「11−22秒」「8−14秒」といった秒数で示してありました。フレーズの後にも「44秒演奏したら一斉に止める」とか書いてあり、これで譜面台のiPhoneの謎が解けました(笑)。私のチェロの先生も、譜面台に腕時計を置いて弾いたそうです。
現代音楽の楽譜など、めったに見る機会がないので、いいものを見せていただきました。「家で弾いてみてね」と言われましたが、たぶん弾かないでしょう(笑)。
今回分かったこと。
「現代音楽は聞くものではなく、見るものだ」(爆)
そうですね、1年に1回くらいはこういう音楽もいいかも(笑)。