皆様、
こんばんは。
さて、本日のセッションで、とても心を打つことがあったので、クライアントご本人の許可を得てここに記しておくことにしました。
セッション中に、クライアント(40代女性)が突然思い出した、古い古い記憶です。
彼女は中学校時代、ある放課後に先生に呼ばれ、職員室でこう言われたそうです。
「あなたはいつも元気で明るくて、先生たちにも可愛がられているけど、
そんな明るさは薄っぺらいものでしかない。
暗さと明るさが両方あって初めてちゃんとした人間と言えるのよ」
他の先生がたくさんいる前で、教師からこう説教された彼女は、
バケツの水を頭からぶっかけられたようなショックを感じたそうです。
そしてその時以来、それこそ明るくて活発だった彼女は、
とても対人緊張が強くなり、
相手を見て、自分を出してもよいかどうかをいつも気にしながら人と接するように変わってしまったということでした。
それから30年近い年月が経ち、
今日セッションで思い出すまで、
職員室に呼ばれて怒られたことは記憶にあっても、
彼女は先生に何と言われたかはまったく覚えていなかったといいます。
彼女にとって、それは記憶の表面から消し去ってしまうほどのショックな出来事だったのでした。
そして、それを聞いた私も、本当にショックでした。
だって、何か悪いことをして説教されるのならばまだ分かりますが、
彼女が彼女らしく、明るく元気にしていたことで怒られるなんて。
そしてその教師の言葉で、これほど深い影響が、これほど長期に渡って彼女の人生に及ぼされたなんて。
私は彼女とのセッションを続けて3年以上になりますが、
3年経ってようやく表面に出てくるほど、これは彼女にとって深い傷だったのです。
今日その記憶が表面に上がってきたことで、
彼女はようやく、当時大きすぎて感じることすらできなかったショックを感じ、それをプロセスし、癒しへの大きな一歩をさらに進めることができたのでした。
子どもの心に、大人の言葉がどれほど大きな影響を及ぼすのか。
そう考えると、教師という仕事の途方もなく大きな責任に圧倒される思いがします。
逆に、大人の何気ない一言が、子どもに生涯にわたる素晴らしい影響を及ぼすこともある。
私の大好きなテレビ司会者オプラ・ウィンフリーは、
8歳のとき、教会で出会った白人女性が、「あなたは斑の子犬みたいに可愛いくて、本当に素敵な唇の持ち主ね」と言った一言を生涯覚えていたといいます。
何故ならそれが、8歳のアフリカ系アメリカ人の女の子が(彼女の子どもの頃のアメリカは、黒人が平気で「ニグロ」と呼ばれていた時代でした)、生まれて初めて他人から「可愛い」と言われた瞬間だったからです。
何十年も経ってから、その女性と自分の番組で再会したオプラは、
「あなたのその一言が、アフリカで子どもたちを助ける私の動機付けになった。
大人の心を込めた一言が、子どもにどれほどの大きな影響を及ぼすかを私は知ったから」
と語っています。
言葉の持つ力って、本当に大きい。
それをいつも心に留めながら、私も人と(特に子どもたちと)接していきたいと思います。