タイの旅 その3


今回のタイでのリトリートは、瞑想、スピリットダンス、ヨガ、断食、シェアリングと吉本有里さんの歌とナートさんのお話などを組み合わせた、とても盛りだくさんなプログラムでした。

有里さんの歌は、すべて彼女の実体験や夢、インスピレーションに基づいたもので、その柔らかな歌声とメッセージは聴くだけで癒されます。今回のリトリートでも、彼女が歌うだけで参加者たちが涙ぐむシーンがいくども見られました。

そして、有里さんの歌と同じくらい癒されたのが、こちら。

ナートさんのクリスタルボウルです。ローズクォーツやアメジストなど、いろんなクリスタルを混ぜ込んだボウルから奏でられる音を聴きながら横たわるのは、本当に至福のひとときでした。

ナートさんは、人生を恵まれない人々のための奉仕に捧げている、優れた魂の持ち主です。霊的な修行も積まれていて、普通の人には分からないことがいろいろと分かる方でもあります。

その彼が、「人間の信念というものがいかにパワフルなものか」について話をしているときに、皆の前であるデモを行ってくれました。
鉛筆の両端を別の人二人に握ってもらい、一枚の小さな葉っぱを手にしたナートさんは、
「私たちは、自分の潜在能力の5パーセントしか使っていません。あとの95パーセントの力は意識の下に埋もれているのです」
「この世はすべて幻想です。この鉛筆がバターで、この葉っぱがよく切れるナイフだとイメージしてください。そうすれば本当に、その通りになるのです」
そういうと、葉っぱを鉛筆に振りおろし、あっという間に鉛筆を真っ二つに切ってしまいました(!)。
以前この話を有里さんから聞いていた私は、当時は半信半疑でしたが、こうして実際に自分の目の前でその奇跡が起こると、本当にこういうことが起きるんだなあと、ただ感動するばかりでした。それからナートさんは、私たちを3人一組のグループに分け、それぞれ、自分でも葉っぱや二つ折にした紙片で鉛筆を切ってみるように促しました。
私もやってみましたよ。何度も、「これは鉛筆ではなく、豆腐。・・・そして私が手にしているのは良く切れる包丁・・」とイメージしてやってみるのですが・・・・、何度試しても、私の鉛筆はびくともしません(笑)。
・・・でも、皆で何度も試みているうちに、奇跡はちゃんと起こりました。参加者のうちの二人が、ナートさんと同じように、ちゃんと鉛筆を真っ二つにしたのです・・・ただの紙切れを使って。二人とも後で「力で切ったのではない。ただ強くイメージしただけ」と言っていました。ナートさんによると、子どもたちもよく成功するそうです。やはり子どもの方がものごとに対して固定した思い込みを持たないからなのでしょう。人間の潜在能力って、本当に計り知れないですよね。

リトリートが終わってから、別の場所で開かれるキャンプに参加するナートさん一行にバンコク郊外まで車で送ってもらったのですが、夢を織る家を出発して間もなく、彼はいきなりある田舎道の交差点で車を止め、「誰かが道に鉛筆を落としているので、拾ってください」。私が車を降りてみると、確かに道端に新品の鉛筆が二本転がっていました。拾って車に戻るとナートさんは私に、「チエコさん、その鉛筆を使って、どうぞ練習してください」と笑いながら言いました。
・・・ということで、ナートさんから宿題をもらって帰国した私です(笑)。ちゃんと修行に励まないといけませんね。

ナートさんと有里さん。二人とも使命を持ってこの世に生まれてきた、素晴らしい魂です。

時折日常から離れると、その時々の自分に必要ないろいろなメッセージが降ってきます。これだから旅はやめられませんね(笑)。
ナートさん、有里さん、参加者や他のスタッフの皆様、本当にありがとうございました。