何ともねえ・・・


今日、久しぶりに、何だかなあ・・・という体験をしました。

某テレビ局から取材と称して電話がかかってきたのですが、
その方とやりとりしているうちに、かなり気が滅入ってしまいました。

性犯罪の特集を組みたいということで、PTSDについて聞かれたのですが、
まず、PTSDの定義もろくにお分かりになっていない様子。
尋ねられる質問も、返答に困るものばかりで、
「どの性犯罪だと、PTSDが起きるんですか?」
「PTSDの症状は、たとえば耳が聞こえなくなったりするんですか?」など・・・・。うーむ・・・。

それと、私が会話の途中で「プライバシーにかかわるので具体的なことは答えられない」というと、
「個人が特定されなければプライバシーではないですよね」と、答えるのが当然だといわんばかりといった口調。
あのですね、たとえ個人のプロフィールを出さなくても、その方がどういう症状で苦しんでいらっしゃるかという話は、私からすれば立派なプライバシーなのですよ。
セラピー以外の場で、第三者にそういう話を私は一切したくないのです。
それはセラピーのプロセスを損なうことになりますし、本当のところ、性被害にあった方たちがどんなに苦しんでいるかということは、そう軽々に電話で話せるような内容じゃない。

・・・という訳で、その方との電話は物別れで終わってしまいましたが、
またこれでひとつ、PTSDという言葉がメディアで一人歩きするのかと思うと、かなり憂鬱になります。

まあ、私もマスコミにいた人間として、「もっと勉強してから出直して来い」と怒られたことはしょっちゅうでしたが、
逆の立場になって、しみじみ、取材される側の気持ちが分かりました(笑)。
当時お世話になった皆様、本当にありがとうございました。そしてごめんなさい。

限られた時間内で分かりやすいストーリーを作り上げなければならないマスコミの方の苦労もよくわかりますが、
やっぱりテレビの取材を受けるのはやめよう・・・と決意した私でした。

テレビ局の皆様、申し訳ありませんが、もう電話はかけてこないでくださいね(笑)。