唐突ですが、
セラピストは一体、
セラピー中に
クライアントの何を見ているでしょうか？
この答えはもちろん、
セラピストによって違うでしょうし、
熟練したセラピストであれば、
同時に１０種類くらいのことを観察しているとは思いますが、
その中でも、
わたしが常に見ているのは、
以下のふたつです。
１・その人が持つ強み。
２・その人の本当の気持ち。
１は、セラピーの初期段階で特に重要ですが、
最終的に最も大切になるのは、 ２です。
クライアントさんが、
心の底に
どんな未消化の感情を抱えているか。
セラピストとしてのわたしが
それを感じ取るのは、
実は全然難しくありません。
なぜなら、
相手の身体で起きることを
丁寧に追っていけば、
本当の気持ちなど
一目瞭然だからです。
でも、
クライアントさん自身が
自分の本当の気持ちに辿り着くのは、
容易なことではありません。
そんな気持ちを持っていること自体、
絶対に自分に許さないケースが
多いからです。
（これはすべて 無意識のプロセスで、
彼らに落ち度や非があるわけでは
まったくありませんが）
でも
無意識だから
余計に気づかない。
なので、
セラピーの早い段階で
わたしが、
彼らの本当の気持ちを
言葉で伝えても
仕方ないのです。
だって、
その言葉は、
彼らの上を素通りするだけで
まったく本人には
響かないからです。
（表面意識ではむしろ
怒り出したり
当惑するのが関の山です）
それは絶対に
クライアントさん自身が
自分で気づく必要がある。
自分が本当は
そういう気持ちを持っているんだということを、
自分に許して初めて、
その気持ちに、
本当の意味で
アクセスすることができる。
そのために、
丁寧に丁寧に、
少しずつ、
何を感じても大丈夫だということを
身体で練習していくのが
セラピーのプロセスだと
わたしは思っています。
そして、
癒しは、
あなた自身が
あなたの本当の気持ちに気づき、
それを許し、
ただ感じるままにしておいたとき、
勝手に起こるものなのです。
繰り返しますが、
癒しは、
「勝手に起こる」のです。
頭が
癒そう癒そうと、
頑張って、
いろいろやった結果、
癒されるのではありません。
あなた自身が、
未消化の感情に気づいて、
それを認める。
ポイントは、
「あなた自身が」
なのです。
ここが絶対に
外せない。
あなたが少しでも
その感情を嫌がったり
そんな感情を持つ自分を許せなかったり
しているうちは
本物の癒しは 起きません。
わたしは
インナーチャイルドという言葉が
あまり好きでないので
ほとんど使いませんが、
ちいさなあなたが、
あまりの途方もなさに
扱いかねて
深い深い奥底に閉じ込めて
しっかりと蓋をして
鍵をかけてしまった
その感情を、
大人のあなたが
１００パーセント認めて
受け入れて
ただ感じきってあげる。
それだけで
当時その感情を感じていた
ちいさな自分は
心の底から癒されるのです。
中には
「そんなこと
何度も何度も自分でやっているけど
同じ気持ちが常に戻ってきて
全然楽にならないんです！」
とおっしゃる人も
いるかもしれませんね。
でも
自分一人で、
その
いわゆる「ネガティブ」な感情を
（わたしはまったく、ネガティブだと捉えてはいませんが）
１００パーセント許し、
感じ切るのは
本当に難しいんです。
（ただやみくもに
おいおい泣きまくったり、
怒りを爆発させたりすることは、
「感じ切る」のとは
ちょっと違います）
だから
セラピストという存在が、
いるわけです。
それは
出産の際、
別に自分一人で産めばよさそうなものなのに
わざわざ助産師や
産婦人科医が立ち会うのと
同じ理由です。
出産は時に
母体や赤ちゃんの命に関わることだから
それを助けるプロがいるように、
身体の奥深くに閉じ込めてしまった感情を
健やかに産み落とす＝解放するには
プロの助けがないと
なかなか難しいのです。
こちらのブログも、よかったらお読みください。
自分の本当の感情に気づくという
途方もない旅路に
果敢に挑んでいる
クライアントのみなさまを
わたしは心から尊敬しています。
その旅路の果てに
たどり着ける場所は
あなたの本質です。
それが
どれほどキラキラして
まぶしく輝いた場所であることか。
こればっかりは本当に、
体験してみてくださいとしか
言いようがありません。
それは
どんな海外旅行よりも
宇宙旅行よりも
ワクワクする、
楽しくて素晴らしい旅です。
なんせ
自分の本質に
還ってゆけるんですから。
そんな旅路に興味のあるあなたを、
わたしはいつでもお待ちしていますね。
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