昨夜、内田光子さんとクリーブランド管弦楽団のオールモーツァルトプログラムを聴きにキタラへ行ってきました。
内田光子さんはずっと憧れだったので、とても楽しみにしていましたが、期待以上の素晴らしさでした。いろいろとびっくりさせられましたが、まず驚いたのは、世界のウチダなのにものすごく腰の低い柔らかい笑顔と、驚異的な身体の柔らかさです。脚を真っすぐ伸ばしたまま、お辞儀がまるで前屈みたいに、頭が床に届きそうな勢いなのです。彼女は毎日自宅でヨガのものすごいポーズを取って鍛えてるんじゃないかなと思わず想像してしまいました(笑)。
そして、いざピアノの前に座った彼女は、何というか、ピアノそのものでした。彼女にとってピアノは、完全に自分の身体の一部なんだなあと感じました。それはまったく仰々しいドレスをまとわない彼女の自然な服装からも良く分かりました。。
彼女はちょっとシャーマン的な素質を持った希有な人で、間違いなくその音楽の本質を天から下ろせる人です。音楽って、その人の人となりや生き方と切り離すことはやはりできないですよね。モーツァルトピアノコンチェルト20番のピアノの最初の一音を聴いた瞬間に私の目には涙があふれ、その後はずっと至福のひとときでした。
私は音楽が大好きで、数限りなく演奏会には足を運んでいますが、文句なしにこれまでに最も感動した音楽会の1つに入るものでした。こんな経験はめったにできないんですが、たまにこういうことがあるのでコンサートホール通いはやめられません(笑)。
昨夜と同じ曲の、彼女の同じ弾き振りの映像です。本当に素晴らしいです。