今日は久しぶりに、とっても感動したことがあるので紹介してしまいます。
今日アメリカで行われた、医療制度改革に関するオバマ大統領の議会演説をYoutubeで観ました。マイケル・ムーアの「シッコ」という映画をご覧になった方は分かると思いますが、アメリカの医療制度は本当にひどく、無保険の人が指を2本切断して、お金がないために一本の指しか接合できずにもう一本の指がなくなってしまったり、保険に入っている人でも、保険会社が必要な治療を認めなかったため病気が進行して死んでしまったり・・・といったことが日常的に起きています。アメリカの医療費はただでさえ信じられないほど高額です。以前現地にいたときに一度歯の治療をしましたが、米国で保険に入って払う自己負担よりも、日本で保険証なしで払う治療費の方がずっと安いことを知って愕然としたものです。(それからは、どんなに歯が痛くても、一時帰国までは我慢するようにしました(笑))私は数年前、ある大きな手術をしてそのときの医療費が300万円ほどかかりましたが、幸い日本は国民皆保険な上、高額医療に対する国の支援制度があるので、自己負担は10数万円ですみました。その手術後にこの映画を見て、もしアメリカで同じ病気にかかっていたらどうなっていただろう・・・とぞっとしたのを覚えています。日本で300万円ということは、アメリカならば同じ治療で1000万を超えてもおかしくないです。おまけに当時は旅行保険にしか入っていなかったですしね(笑)。
そういう、ひどい医療保険制度の国で、これまで歴代大統領が挑んで誰もなしとげることができなかった難題に、彼は今取り組んでいます。当然、保険会社とべったりの共和党などからの反対はものすごく、現在は国を二分する議論が巻き起こっているところのようです。
彼の今日のスピーチは、そんな困難なテーマに真正面から立ち向かい、どんな妨害をも許さないという姿勢を広く国民に知らしめる、本当に素晴らしいものでした。50分近い長大な演説でしたが、彼の言葉には本当に力があり、思わず全部聴いてしまいました。途中何度も立ちあがって拍手する民主党議員とは対照的に、しらっと座っている共和党議員席の様子が何とも言えませんでしたが・・・・でもさすがの彼らもところどころでは立ち上がらざるを得ないほど、彼のスピーチは素晴らしかった。
彼がすごいと思うのは、あれほど共和党や右翼から攻撃されているにもかかわらず、誰も敵扱いしないところです。自分に敵対する人にも真剣に対話を呼びかけていました。あんなに言葉に力がある政治家もちょっといないでしょう。本当に素晴らしい大統領だと思います。
英語が分かる方は、長いですが、ぜひご覧になってみてください。時折映るミシェル夫人のピンクのドレス姿も可愛いですよ(笑)。(最初の4分30秒は、ずーっと拍手なので、飛ばしても大丈夫です)