ここ数日、
なぜかずっと、昔出会ったある人のことが頻繁に頭に浮かぶので、
ちょっと彼について書いてみたいと思います。
もう2度と会うこともないし、
名前さえ覚えていないのですが、
こんなに頻繁に思い出すということは、
ひょっとしたら彼の身に何かが起きているのかもしれないので、
私がここで彼について記すことで、
彼に何らかの良いエネルギーが届いてくれるように祈りつつ・・・。
彼は、私が10年以上前、
サンフランシスコ郊外にあるホームレスのための施設で
インターンをしていたときの、
その施設の利用者でした。
米国のホームレスは、
たぶん半数以上が従軍経験者なのですが、
(戦争体験による重いPTSDで、
薬物に依存して職も住む場所も失ってしまった人が
本当に大勢いました)
彼も例外ではなく、
韓国に派兵された経験のある元軍人でした。
その彼がある日、
センターに出勤した私に、
「さっき行った教会でもらったんだ。
君にあげようと思って持ち帰ったんだよ」と言って、
紙パックのオレンジジュースをくれました。
たぶんそれは、
私がこれまでの人生でもらった中で、
一番うれしかった贈り物でした。
ほとんど何一つ、
ものを所有していない彼が、
それでもなお、
他の人に贈り物をしようとする。
その気持ちが本当にうれしくてうれしくて。
ビル・ゲイツのような大金持ちに
ものすごい高級車をプレゼントされるよりも、
彼が差し出してくれた1パックのジュースの方が、
ずっと心に染みる贈り物だったと思います。
おくりものって、
金額の多寡ではなくて、
本当に気持ちなのですよね。
さらに言えば、
物である必要もないです。
どんな境遇にある人でも、
他の人に与えられるものがある。
それを教えてくれた彼のことを、
私はたぶん一生忘れないでしょう。
私も、日々出会う人たちに、
無形の贈り物をし続けられるように生きていきたいです。