11月に入りました。もう札幌市街にも初雪が降ってもおかしくないのですが、今日は雨です。まだ山の紅葉もわりときれいだし、やっぱり季節が後ろにずれ込んでいる感じですね。
さて、日々暮らしていると、自分が何らかの「流れ」に乗っているなあと思うことがあります。「流れ」は、いったん乗り出すと、次々に偶然の一致が起きたり、新しいことが起きてくるから本当におもしろい。この「流れ」に乗ることこそが、人生の醍醐味と言えるのかもしれません。
私の最近の「流れ」は、どうもアメリカに関係しているようです。ここしばらく、どうしてだかは分からないのですが、ふとした拍子に、かつて暮らしていたサンフランシスコの街並みが目に浮かぶことが増えていました。本当に、何の前触れもなく、ひょっと昔よく車で通っていたWalgreens(ドラッグストア)の周辺が目に見えたり、住宅街が見えたりするのです。別に、特に思い出の場所というわけでもないのに。
そんなある日、札幌に住む一人のアメリカ人の男性から連絡を受けました。彼はひょんなことから私の英語のホームページにたどりつき、メールをくれたのです。オレゴンの大学院で心理学を学んだ後来日し、今は一時的に札幌に住んでいるけれど、将来的には米国に戻って心理セラピストの資格を取得したいという人でした。
彼が私の経歴に興味を持ち、米国で学んだことをどうやって私が日本の臨床で実践しているかを知りたいということだったので、先日市内のスターバックスで会ってお茶をしました。向こうで心理学を学んだ者同士なので話ははずみ、初対面なのに2時間近く話し込んでしまいました。
それで、それがきっかけになって、彼が自分の知人をたくさんクライアントとして紹介してくれるようになったのです。私はもともと英語でセラピーを学んだので、英語でカウンセリングをするのは大好きでした。帰国してからあまりそういう機会がなかったのですが、突然週に何度も英語でセッションをする機会に恵まれ、喜んでいます。私はあまりセラピーをする上で文化の違いなどを意識することはなかったのですが(私自身が日本人なので、別に日本人にセッションをする上で文化的なギャップなどを感じることはないわけです)、久しぶりにアメリカ人とセッションをしてみて、あまりにこちらの言うことがすぐに通じるので、びっくりしています(笑)。やはり向こうの人は、感情や身体にコンタクトするのにとても慣れていて早い。それになんだかんだ言っても、私のセラピーは基本的にはアメリカ・スタイルなのかもしれません。
そしてつい最近、また別のアメリカ人からメールをもらいました。彼は私もしばらく住んでいたバークレーにある大学院で臨床心理学の博士号を取り、今インターンをやりながら臨床心理学者の資格取得を目指している人でした。休暇で札幌を訪れ、これまたどんなきっかけかは分かりませんが、なぜか私のホームページを見て連絡をくれたのです。
彼とも別のスターバックスで会い、おしゃべりしました。こちらは、住んでいたエリアが同じということもあって、さらに初対面とは思えないほど話がはずみました。彼は私の通っていた大学院のこともよく知っており、私が一時期よく通っていた瞑想センターに彼も行っていたこと、よく行っていたハイキングコース、彼の実習先の病院の話など、共通の話題がたくさんあって、本当に楽しかったです。(この日、じつはもうひとつ、ちいさなシンクロニシティがあってびっくりしましたが、それはまた今度)
私は向こうで心理学のトレーニングを受けたこともあって、日本の専門家の方とはあまりに臨床のスタイルが違いすぎるのか、あまり突っ込んだ話ができないでいました。それが何を言ってもツーカーで通じる人々とセラピーの話をするのがこんなに充実していて楽しいものだということを久しぶりに思い出しました。そういえば、先日行った京都でも、友人のだんなさんであるアメリカ人と、楽しくカリフォルニアの話や大統領選の話をしましたっけ。
ということで、私の周囲にアメリカからの「風」が吹いている今日この頃です。1月にアメリカへ戻る私を一体何が待っているのか、今からとても楽しみです。