カップルセラピー(カップルカウンセリング)は、まだ日本では一般的ではありませんが、アメリカでは個人カウンセリングと並んで非常に人気がある療法で、カップルセラピーを専門にしているセラピストも多くいます。(この場合のカップルとは、結婚している夫婦だけではなく、異性・同性のパートナー同士、場合によっては友人同士なども含みます)
もしあなたの一番の悩みが自分のうつや不安など個人的な問題ではなく、パートナーとの関係であれば、カップルセラピーがお役に立つことでしょう。カップルセラピーの利点はいくつかあります。
1.最大の強みは、カップルセラピーは「現在」を扱うものであり、悩みの対象とじかにワークすることができるということです。誰かとの関係について悩んでいる場合、一人でセラピーに来てその人についてあれこれ話すよりも、一緒に来てセラピストの助けを借りてじかに相手との関係をワークする方がずっと効率的であることはすぐにお分かりでしょう。
2.中には「これまでも話し合いならば二人でさんざんしてきた。カウンセラーが入っても問題が解決するとは思えない」という方もいらっしゃるかもしれません。しかしカップルセラピーにおけるワークの焦点は、「会話の内容」ではありません。訓練を受けたセラピストは、お互いの主張から、その根底に流れている 感情やコミュニケーションのパターンなどに気づくことができます。セラピストの役割は、そうした本人たちが気づかない部分を意識化するお手伝いをすることです。自分の本当の気持ちや、本当に相手に伝えたかったことがクリアになってくると、問題は自ずから解決していくことがほとんどです。その気づきにいたるプロセスは、思考だけではなく、感情的、身体的な気づきも含まれます。
カップルセラピーに適さないケース
1.そのカップルの問題に、ドメスティックバイオレンス(DV)が含まれる場合は、通常カップルカウンセリングは初期の介入としては行いません。DVがある場合は、まず被害者の安全を確保することが第一であり、この段階でカップル同士を一緒にカウンセリングすることは安全性において問題がある場合が多いからです。DVでお悩みの方は、まずはお一人でご連絡ください。
2.カップルでいらした時に、お二人のうち片方が重い鬱や不安を抱えているなど、より集中的なケアを必要としていることが分かる場合もあります。そうした時には、セラピストの判断で、しばらくどちらかの個人カウンセリングに切り替えるようにおすすめすることがあります。その場合でも、最終的にはカップルとして最善の結果が得られるように、セラピーの見通しについてセラピストとクライアントの間で十分な話し合いを持ってからセッションの進め方を決めていきます。
3.お二人のうち一人が、カウンセリングに対して強い抵抗感がある場合は、無理強いされる必要はありません。まずは助けが必要だと思われる方がお一人でもセラピーを始めてみましょう。
カップルセラピーについての疑問点がありましたら、お気軽にお問い合わせください。