本当に癒されるためのヒント③「ゆっくり行けばいくほど早い」その1


こちらの記事の続きです。

本当に癒されるためのヒント② 「誰もあなたの代わりにはできないが、一人で行うこともできない」その2

癒しは、深く追求すればするほど、パラドックスに満ちているので、
この連載のタイトルを「癒しのパラドックス」にすればよかったと思うくらいです(笑)。

今日は、誰もが知りたいと思っているであろう、
「癒しにかかる時間は、一体どれくらいなのか?」
というお話をしたいと思います。

今の世の中は、とにかく、スピードが何よりも重視される時代です。
今や世界の裏側の人にも一瞬でメールを送れるし、
スカイプで直接話しもできるし、
ネットで注文したものもすぐに届くし、
飛行機や列車などの乗り物も、ますますスピードアップしています。

癒しの世界も例外ではありません。

「このサプリさえ飲めばすぐに解決!」
「このセッションを1回受ければ問題はたちどころに消失!」
「一日3分(あるいは3秒)で人生が変わる!」
「すぐにラクになる!」
巷には、こうした宣伝文句があふれています。
(今、面白半分に、アマゾンのページで「1日 分で」で検索をかけてみたところ、出てくるわ出てくるわ、2万冊以上の本がヒットしました。癒し、勉強、仕事、家事・・・みんな、よっぽど時間をかけたくないんですね 笑)

英語に、quick fixという言葉があります。
「手っ取り早い解決」という意味ですが、世の中はまさにこのquick fixであふれています。

そして、私は、quick fixが大嫌いです(きっぱり)。

最近、「奇跡の教室 エチ先生と『銀の匙』の子どもたち」という、素敵な本を読みました。
これは、超有名な進学校、神戸の灘中学で50年間も教壇に立ち、3年前に103歳でお亡くなりになった橋本武先生という国語の先生について書かれた本です。

彼の中学校の国語の授業は、以下のようなものでした。

3年間かけて中勘助の「銀の匙」を読む。

・・・それだけ。
他の教科書は一切使わず。
授業は脱線しまくりで、1回に1ページも進まないのは当たり前。
駄菓子屋の場面では、実際に昔の駄菓子をみんなで食べ、
凧揚げの場面では、美術の授業も巻き込んで皆で凧を作り、実際に揚げてみる……。
「丑紅」というたったひとつの言葉から、十二支、二十四節気の解説を2回の授業に分けて行なう……。

うーん、楽しそう。私も、そんな授業を受けたかった!!
(私は本が大好きで、国語の教科書はもらった日に全部読んでしまい、でも授業はつまらなくて、国語の勉強など一度もしたことないのにテストの点数はいつも良いという、読書好きの子によくあるタイプでした)

でも、そんな彼の授業に、入学したばかりの1人の生徒が、疑問を投げかけます。

「先生、このペースだと(3年間かけても)200ページ、終わらないんじゃないんですか」

それに対する、橋本先生の答えが素晴らしい。

「スピードが大事なんじゃない。
すぐ役立つことは、すぐに役立たなくなります」
……ブラボー、ブラボー!!

癒しも、まさに同じだと私は思います。
例えば、1回のセッションで、もう、号泣に次ぐ号泣で、何だか神秘体験のようなすごーい衝撃的な体験までしたとします。

「あーこれで私の人生変わった。もう大丈夫だ!!」とあなたは思うかもしれません。

……では実は、そういう、一見劇的なセッションほど、全然定着しません。

最初の興奮が冷めてしばらく経つと、すっかり元に戻ってしまっていたり、場合によっては、最初の症状よりも悪くなってしまったりします。

前の投稿にも書いた、私のセラピーの恩師ピーター・リヴァイン博士のもうひとつの口ぐせは、
「ゆっくり行けば行くほど早い」でした。
「ウサギとカメ」のお話みたいですが、本当にその通りなのです。

長くなりましたので、今日はこの辺で。
続きはもうしばらくお待ちくださいね。

最近、ちょくちょく行く市内の公園。
こんな素敵な場所が、札幌にはいくつもあります。
しかもいつもガラガラ。森好きの私にはたまりません!
皆さん、札幌に引っ越してきませんか?(笑)