Vulnerabilityと男性〜アメリカのある刑務所での取り組み

 

(追記あり)
先日東京で参加した講座で、整体ボディワーカーの山上亮さんが、Vulnerabilityを「vulner-ability」と区切って「傷つく力」と仰っていました。
本当に本当に、その通り。自分の中の傷を認め、受け入れ、オープンにすることで初めて、人は本当の強さというものに到達できる。だからvunlerableであることは、実は何よりも強いこと。でも男性は特に、傷を感じたり見せたりすることは「女々しい」とされ、したがって実は女性よりもずっとずっと傷ついているから、やり場のない傷の表現としての怒り=暴力が世界中に溢れているんだと思います(そして最大の暴力はもちろん戦争)。

米国のサンクエンティン刑務所が、まさに傷ついた男性の受刑者たちの真の変容を目指すGRIP(Guiding Rage into Power、激しい怒りを真実の力へと導く)と言うプログラムを行なっていることを、かつてすぐ近くに住んでいたのに知りませんでした。このプログラムの内容を紹介する、6分間のとても感動的なビデオがこちらです。

32人の男性が52週間に渡り、毎週一つの輪になって集い、お互いの話をシェアしていく。彼らはみな、重篤な犯罪を犯した一見強面の受刑者ばかり。

受刑者1「私の兄は去年の11月17日に殺された。今日は彼の誕生日だ。普段私は誰かにやられたら、もっとやり返す。でも今私はここに座って健全なやり方をとる。怒りの中に入り、傷つきの中に入り、よかったことを思い出して笑う。身動きが取れない場所にはいない。もしこのグループがなければ、こんな風に健全な反応をすることはできなかったと思う。こうやってここに座っていることで、傷つくたびにそれに自動的に反応することをしないですむ。それは自分にとっては本当に大きなことだ」

受刑者2「酒屋の前でギャングにからまれた。そいつは私の後をつけてきた。そして武器を取り出した。それを奪おうとして相手を撃ってしまった。正当防衛だ。そしてここに入ってみんなに会った。みんなを見ていて、みんなが変われるのなら、私だって変われると気づいた。自分がやってしまったことについて隠さず正直になることによって」

スタッフ「私たちがここにいるのは、自分たちが本当は誰であるかを互いに思い出し、本当の自分に戻るのをお互いに歓迎するためだ。犯罪を犯した時、私たちは自分が本当は何者であるかを忘れてしまう。本当の自分が誰なのかをまた忘れてはいけないんだ」

受刑者3「1994年の12月7日、私はクリスティ・アンダーソンという名前の女性を殺した。彼女は、現在20歳になる私の娘の母親だ。今年のサンクスギビングにこの19年間で初めて娘に会った。ずっと刑務所にいたからね。私の最大の問題は怒り、暴力、攻撃的な爆発だ。私が9歳の時、母親は父親のところへ私を送り込んだ。私の父は、まるで私が大人の男であるかのように私を殴った。GRIPのようなプログラムに参加しなかったら、サンクスギビングに娘のケイティの訪問を受け、娘が私に言う必要がある言葉の全てを心を開いて受け取ることなんてとてもできなかったと思う。実際には(涙で言葉が詰まる。他の参加者も涙ぐむ)私がこの世で最も損なったと感じている人間が、私のやったことを許すと言ったんだ(他の参加者、深く頷きながら耳を傾けている)」

スタッフ「もし、我々の誰かがワークをできるのならば、我々は皆ワークができるってことだ。なぜなら、我々にはみな隠しておきたい秘密がある。我々はみな誰かを傷つけた。その過去を清算することは、本当の自分を取り戻すための大きな道筋の一つなんだ」

最後は、ネイティブアメリカンのスタッフらしき男性が、四大元素(大地、空気、水、火)に感謝し、先祖への祈りを捧げるサークルで終わります。
「ここでみなさんがやっていることは、サンクエンティン刑務所内のこのコミュニティだけでなく、世界中に共鳴しているのです」

男性が自らのvulnerabilityを認め、受け入れ、それをお互いに共有することは、ひょっとしたら女性が同じことをやる何倍も、この世界を癒していく作業なのではないかと、このビデオをみて強く感じました。

ぜひご覧ください。

 

 

そういえば、1月にvulnerabilityについてのわたしなりの定義と、この言葉に対する思い入れについて、FBライブで15分も語っていたのでした(笑)。よろしければどうぞご覧ください。
誰かこれをコンパクトに編集してくれる人いませんかね(#^.^#)。

 

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