ついに我が家に〜娘を我が家に迎えるまで 最終回


前回の記事の続きです。

魂の会話をする〜娘を我が家に迎えるまで その24

2014年7月28日。

とうとう、娘が我が家にやってくる日が来ました。

短い期間だったけど、何度も通った乳児院に車を走らせるのも、今日が最後。
最後のドライブ、車中で何を話したのか、どんな気持ちでいたのか、今となってはあまり覚えていませんが、
普通のお母さんの出産に当たるような、
わたしの人生最大の記念日だったことは間違いありません。

 

乳児院では、母子手帳や彼女名義の通帳を受け取り、
里親担当の職員Kさんにいろいろなアドバイスをもらい、
持参した服に娘を着替えさせ、持参のチャイルドシートに座らせました。
(嫌がるのではないかと心配していましたが、まったくの杞憂でした)

玄関まで職員さんたちが見送ってくれ、絵本などたくさんのプレゼントをいただき、
記念撮影をしてから、私たちは乳児院を後にしました。
私たちの姿が見えなくなるまで総出で手を振ってくれる職員さんたちの姿を見ながら、
彼女が、いかにここで大切にされていたかが分かって、思わず泣いてしまいました。
担当の保育士さんからも、「いっぱい抱っこして、いっぱい可愛がってあげてください」という手紙を託され、
宇宙からお預かりしたこの小さな赤ちゃんを大切に育てさせていただこうと、改めて強く思いました。

 

我が家に到着するとすぐ、下の階に住むご近所さんとその4歳の息子さんが娘の顔を見に来てくれ、
2人とも大喜びしてくれました。
FBでも早速報告すると、本当に多くの友人が祝福してくれ、
「自分に家族が増えたみたいだ」「号泣です」「ちえこさんたちを選んで来てくれたのね」「乳母は任せて」などと、続々と温かいメッセージが寄せられました。

しみじみありがたかったです。

乳児院のKさんが「ミヨちゃんは、愛されるために生まれてきたんですね」と言ってくれたとおり、
彼女は本当に、多くの人に愛されている。
彼女を通じて、私たちの愛も拡がっていく。

子どもって、本当にパワフルな存在。

そしてそれは、親という役目をいただかなければ、実感としてはわからなかったことでした。

 

娘は、新しい粉ミルクもすんなり飲んでくれ、
お昼寝もして、たそがれ泣きもあり、
初めてのお風呂も気持ち良さそうで、
拍子抜けするほどに、我が家での生活に馴染んでくれました。

そして、赤ちゃんがいる普通の家庭と同じ、あわただしくも楽しい、寝不足気味の毎日が始まりました。

 

娘が我が家に来て数日後だったでしょうか。
彼女を中心に、川の字になって寝ていた朝のことでした。

目を覚ました娘は、左側に寝ていたわたしを見てにっこりしました。
次に右側に寝ていた夫の方を向いてにっこりしました。

そして、何度か左右を代わりばんこに見ては、私たちを見てニコニコし続けたのです。

私たちの子どもになれてうれしい。
そう、全身で表現しているようでした。

そう思ってくれて、うれしいよミヨ。

でもね。

きっと私たちの方が、あなたの何百倍もうれしく感じていると思う。

本当に本当に、私たちの娘になってくれて、ありがとう。

我が家に来た日の午後、初めてお昼寝をするミヨ。
夫の指をしっかり握って眠っていました。

 

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「娘を我が家に迎えるまで」シリーズ、これで完結となります。
なんと、完結までに1年半もかかってしまいました(^_^;)。

娘を迎えるまでも長い長いプロセスだったのですが、
迎えてからの日々の子育てでも、もちろん、様々なことが起きています。

その中には、子育てに普遍的なプロセスもあれば、
(はい、私も御多分に洩れず、大変なガミガミ母さんでございます^_^;)
血の繋がらない子どもを育てる親ならではのプロセスもあると思います。
(なんと、一昨年末にはシングルマザーにまでなってしまいました^^;。元夫からは今も多大な子育てのサポートをもらっていますが)

そういった諸々の出来事についても、これからぼちぼちと書いていきたいと思っています。

 

このささやかな連載が、養子縁組を検討しているご夫婦の背中を押す、ささやかな助けになれば、
わたしとしては、それ以上の喜びはありません。

気長にお読みいただいたみなさま、本当にありがとうございました。

 

 

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