カルトに勧誘されないための7か条


憧れだった大学の学生相談室での勤務を始めて、今年で2年目になります。

大学で働き始めて「全国カルト対策ネットワーク」というものがあるのを初めて知りました。

これは、カルト対策を行う立場にある大学の先生やカウンセラー、
職員、弁護士さんなどで構成されるネットワークで、
こちらのメーリングリストで交わされる情報交換を読んでいると、とても興味深いです。

オウム真理教を持ち出すまでもなく、カルトに入信して本人と家族の人生が大きく狂ったケースは世の中にたくさんありますものね。
そういう学生を一人でも減らしたいと、多くの関係者が活動しているのは素晴らしいことです。

 

北海道では、北大の桜井義秀教授という宗教社会学の先生がカルト対策の実践・研究で有名なのですが、
連休初日、北大で桜井先生が講師を務める大学のカルト対策実務者研修会があったので参加してきました。

 

私はこういった研修では大抵眠くなってしまうのですが(笑)。
桜井先生のお話はとても面白く、昼食後の時間にもかかわらずほとんど眠くなりませんでした。
(すっかり忘れていたのですが、何年も前に一度知人の紹介でお会いして一緒に飲んだことも思い出しました)

 

なかでも面白かったのが、「カルトから勧誘されない学生の特徴は7つある」という話です。
「いったいどんな学生だと思いますか?」と壇上から質問されて、いろいろ考えてみました。

私が思いついたのは、
1. いつも友人に囲まれている(一人でいないのでカルトが声をかけにくい)
2.自己肯定感が高い(自分の外に救いを求める必要がない)
……こんなところだったのですが、彼の答えはまったく違いました。

 

桜井先生によると、カルトが勧誘しない学生とは、
1. 悪事をしたい人
2. 自分のことしか考えない人
3. 理想のない人
4. お金のない人
5. 勇気/意気地のない人
6. 威張り散らす人
7. 何事にも一生懸命になれない人
……なのだそうです(爆)。

 

はい、目から鱗でした。
わたくし、セラピストとしてまだまだでございます(笑)。

 

先生の話では、カルトが欲しがるのは、「善意があり、理想が高く、何事にも一生懸命で、自分よりも他の人を優先させる人」なのだそうです。
つまり、一般企業でも引っ張りだこな感じの人材です。
カルトにとって、悪いことをしたい人はまず論外だし、
威張り散らすのは教祖だけで十分なんだそうです(爆)。

 

「でも、この7か条を身につけさせることは大学教育にはならないんですよね」と桜井先生は苦笑いされていましたが、本当にその通りですよね(笑)。
理想が高く、何事にも一生懸命なのは、若者の特徴であり長所なんですから。

 

そういう、理想にあふれて正義感の強い、一生懸命な若者が、カルトに洗脳されて人生を台無しにするのは本当に痛ましく、残念なことです。

 

7か条を身につけさせるかどうかはともかく、
「自分のことを、まずは誰よりも大切に思える人」を育てられるような世の中であればなあと思います。
日本では特に、そういう育てられ方をした人はまずいないでしょうから。

 

自分を第一に考え、
自分のことを愛し、
自分が幸せであることが、
幸せな社会を作るための第一歩だと、私は心の底から信じています。

 

そんな幸せな人が一人でも増えるように、日々セラピーにいそしんでいる私です。